八太正之介先生[1991(平3)年津高卒]
在籍期間:2003~2021年
担当科目:国語
担当部活:吹奏楽部、文芸部、演劇同好会

Σ(津高生)≓津高校

国語科の八太(H3年卒)です。18年の長きに渡りお世話になりましたが。印象的な出来事の一つを紹介します。私は、18年間、通常授業の際には毎時毎時、授業の最初10~15分間に雑談をしておりました。その雑談にまつわるお話です。
数年前、私が3年生の授業で担当しておりました時、とある生徒の保護者の方に授業見学か何かの際にお会いしました。その生徒本人は、私が3年連続で国語の授業担当でした。保護者の方いわく、「ああー、八太先生、娘が大変お世話になっております。娘はいつも、先生の毎時間の雑談が楽しいと申しておりまして、本当にありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いします。・・・・・・ところで、八太先生は何の教科を担当されていらっしゃるのですか?」
最後には眩しい笑顔でおっしゃいましたので、「あ、ははは、国語です」とこちらも笑顔でお答えし、同時にこころの中で独(ひと)り言(ご)ち、――そう、私は国語科の教員なのですよ、お母さま、私はあなたのお嬢さんに3年間、古典とか現代文とかいう科目で国語をお教えしているのですよ、ええ、そうですとも。確かに、お嬢さんは、私のどうでもいい話も聴いてくださってます、これについては、全く、本当に、ありがとうございます。でも、お母さま、くどいようですが、私は「国語」の教員でありまして、「雑談」の教員ではないのですよ、よろしいでしょうか--、こんな一コマでした(もちろん、このエピソードも次の日の事業の雑談として披露致しました。)
数々の雑談(「いらん話」と自称していた)を繰り返してきて、そして教壇から離れている今、しっかりと感じていることは、やはり聞いてくれるたくさんの津高生がいたからこそ私は話し続けられたし、そのことは私の救いでもあった、ということです。日ごろのただの私的雑談からなる「いらん話」を受けとめてくれる、津高生という心優しき人たち。常々「いらん話」で言ってきた通り、やはり津高を津高たらしめてきたのは、そんな津高生ですよ。「津高には、変な先生がたくさんいる」と津高生はよく言うけれど、私を含めて多くの色々な先生たちからことばを引き出したのは、そこにいる先生をも楽しみ、受け容れてきた、あなたたち津高生なんですから。言うまでもなく、津高生がお互いの個性を楽しみ、尊重しているのも、同じこと。「Diversity and Inclusion(多様性と包摂)」――21世紀の世界的目標らしいが、津高ではずっとデフォルト(初期設定・推奨)です。