小林正美先生[1970(昭45)年津高卒]
在籍期間:1995~2005年

津高の魅力

津高140周年おめでとうございます。

私は昭和45年の本校卒業生であり、平成7年から17年までの10年間を音楽教員として、合計13年間本校にお世話になりました。津高生として、津高教員として過ごした日々のいろんな出来事が走馬灯のようによみがえります。楽しかった思い出はもちろん、苦労してもがいた事も、その全てが文字通り私の宝物になっています。今も「津高」という名前をどこかで見たり聞いたりするだけで、胸が躍るほど私の中で大きな存在です。私を惹きつける津高。その魅力がどこにあるのか思い出をなぞりながら考えてみることにしました。

今から50数年前。津高生としての3年間は、学生運動の嵐が吹き荒れた大変な時代だったのですが、一丁前の理屈で議論し合う生意気な私たちを、学校は暖かく見守って(見過ごして笑)くださったのを覚えています。他県での大学生活が始まり、友人たちとさまざまな話をするうちにそれが普通だと思っていた私たちの高校生活がどんなに自由に溢れ豊かだったのかを、その時初めて知ったのでした。

20数年経過して教員として母校に戻った時、時代も世の中も随分変わっていましたが、津高の本質はちっとも変わっておらず、先生方は自由かつ活発に議論しあい、生徒達は精一杯高校生活を謳歌している姿に安堵し、そして感動しました。私も気を引き締め、この伝統を伝えたいと生徒に接しました。特にクラブ活動(音楽部)では、生徒たちと夜遅くまで文化祭の準備に興じたり、クラブの活動方針を部員と徹底討論しあったり、独立採算で本格的なコンサートを開催したり、3年生は秋まで部活動を続け、受験と両立させるという伝統を守ったりで、私も本当に充実した日々を部員たちと過ごしました。進学校のクラス担任としての私は、あまり褒められたものではなかったかもしれませんが、同じ考え方で生徒と接したと思います。また、室長副室長をはじめ、生徒たちにクラス運営をどれほど助けてもらったか分かりませんが、私はそれをちっとも恥じませんでしたし、生徒たちは私が期待する以上に育っていきました。コロナ禍の今、高校生たちは本当に不自由な生活を強いられており、どんなに悔しい思いをしていることかと思います。しかし津高生はこんな時だからこそ、140年という途方もない歴史と自由自主自律という校風の魅力を生かしていただき、在校中も卒業されてからも大活躍されることを期待してやみません。

最後に私の近況をお伝えさせていただきます。70歳を迎えた今年、私もコロナ禍で全く思うような生活も活動も出来ていませんが、それでも三重県文化会館で開催される音楽会などに可能な限り足を運んで、心に栄養を与えてもらっています。また、定年後に始めたお絵かきを楽しんでいます。写真は近くのギャラリーで開催された地元のグループ展でかけていただいた人物画とその前でお澄まししている私と。別の日に同じギャラリーで感染に注意しながらミニ演奏会を開かせて頂いた時のスナップでご覧のように元気にやっています。私の愛する津高がますます発展して行かれることを心から願っています。