久米令真先生[1981(昭56)年津高卒]
在籍期間:2003~2011年
担当科目:化学
担当部活:将棋

『提言』

 私の高校時代は、学校区のため四日市高校の受験は出来ず、鈴鹿の奥地から2時間近くかけて津高に通わなければならなかった。私のような田舎の気の小さい高校生にとって、学習面、進路面、さまざまな悩みに対し応えてくれ、信頼できる教師は津高にはいなかった。高校教員になった理由は、津高をとにかく改善したかったというのが一番の理由である。
 今だから言えるが、19年前、10年間勤めた入学時の学検点からの学力の伸び率が県下No.1と言われた上野高校(現在は?)から赴任した際、進学校から進学校への初めての転勤者ということで一部の先輩教師からは考えられない嫌がらせに遭った。教科指導では、生徒からの教師に対する評価制度を確立したかったが、様々な教師の圧力によって広めることはできなかった。入試レベルの問題が解けない専門性に欠ける教師が県教委への場つなぎで津高で働いている現状。なぜか事なかれ長年勤務の教師が津高には存在する現状は今でもあるのだろうか?

『学校長への提言』

 私が勤務していた頃の津高の校長は、定年までの最後の「はなむけ勤務」をこなすだけの事なかれのお飾り校長しかいなかった。学校は、その時その時の生徒の為に存在している。決して津高は校長の最後の「はなむけの場」ではない。コロナ下でも税金から高給が支給され、莫大な退職金が支給される。塾には通わずあるいは通えず、学校の授業だけを信頼し、難関大学を目指す生徒もいる。浪人はできない。コツコツと学校の指導に真面目に従ったがダメだった場合、誰がフォローしてくれるのか。進学校として生徒の進路に他人事ではなく自分のこととして考えることができ責任が取れる学校長であってもらいたい。
 卒業生から今の津高の現状を聞く機会がある。「全国の進学校は改善、工夫がなされ、魅力ある学校に変わっているのに、津高は全く変わらない」「もう津高は進学校とは言えない。四日市高校と高田は全国50~100傑以内に入るが、津高は200傑にも入らない」「鈴鹿市からは各中学校学力トップレベルの生徒は津高を選ばない」「津駅、津新町駅にも四日市高校の制服を着た高校生が電車通学をしている」「ある年は東大に10人受験したが全滅」「津高は、強制的に課題をただやらせるだけで学問の本質を教えてくれない」「塾に通わなければ難関大学受験レベルの学力はつかない」「進路に関しては、所詮他人事、信頼できる教師が少ない」等々。このような噂が耳に入ってこないよう改善を求む。
●生徒にとって通ってよかったと思える学校に
●教師にとって勤務できてよかったと思える学校に
●保護者にとって子供を通わせてよかったと思える学校に
 これら3つの思いは、最後の進路実現の結果に占める割合は大きい。

『津高教師への提言』

 生徒から教師の授業評価制度の確立とオープン化(教科指導のみの評価、一部の生徒に対してのクラブ指導等は除外、学問の本質を授ける学習意欲を駆り立てる授業、ただ、課題を課し、やらせるだけの取り組みではなく、生徒の能力、ニーズを吸い上げ、それに応えられる教員の姿勢・努力)
 3年生になると(25年前の上野高校では2年生から放課後やっていたが)普段の授業では時間の制限があり、取り扱うことのできないハイレベルな内容を課外補習で行っていると思うが、その際の生徒からの評価、感想を教師間で共有しているのだろうか?私が津高に勤務していたころは、教務で保管するだけでオープンにして検討することはなかった。馴れ合いで自己満足と言い訳の多いチームワークの悪い教師集団になってはいないだろうか?補習参加希望者と希望率の高い教師と、希望者を募っても生徒が集まらない教師、反省と改善からよりよい授業ができレベルアップできる。プライドも大切だが、反省を惜しまない教師集団であってもらいたい。
 教師から管理職の評価制度の導入(管理職に媚びることなく、教師が心置きなく質の高い教科指導が存分にできる環境づくりができるよう、管理職と積極的な議論を)。生徒の進路先に管理職を取り込み、責任感が持てる教師集団であってもらいたい。

『保護者の方へ』

 人間的人格的側面が受験勉強だけで磨かれることはありません。学歴を人間評価の基準にすることは明らかに間違っています。しかしながら、高度な学習を身に着けることにより、学びたい年頃に根気よく学習する経験は、リーダーシップが取れる人材育成に欠かせないものと考えます。
 津高の役割は、頭脳を活性化させる貴重な機会を与える場でなければなりません。「勉強は塾でやればいい」とか「ダメなら浪人してもしようがない」とか、お金と時間を浪費する安易な考えは、公平な公教育の場では相応しくありません。学校全体の雰囲気を決してよくしません。貴重な3年間です。もちろん、クラブ活動、学校行事等では、大いに楽しんでもらいたいです。しかしながら、こと勉強に関しては学校に期待しないとか諦めるのではなく、どうしたら学習面においても津高を魅力ある学校にできるか声を上げるべきであると考えます。
 以上の内容を含め、県教委の不祥事についても訴えたが、上手くごまかされ、隠蔽されてしまうのが現状です。綺語、両舌で溢れる今の世の中で、子供たちが正しく見極める力を育み、力強く生き抜いていくために。
 最後に、どなたかわかりませんが、私の名前を挙げて下さりありがとうございました。いつかお会いできる日を楽しみにしております。